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【はじめに】
20世紀末は大量生産、大量消費の時代。同じ質の同じモノを、より多くの人々により多く売った企業が成功しました。そのため、技術も大量生産に合わせて進歩し、更には人材教育・育成といった部分までもが、この大量生産に合わせた考えになりました。
日本全国どの街に行ってもあるのは、銀行、全国チェーンのコンビニエンスストア、ファミリーレストランにファーストフード、パチンコ、貸金業の店舗ばかり。同じ様な機能、デザインのモノが溢れ、街も同質化し個性の無い街が増えたのでしょう。日本で製造された車は性能が良いと聞いたところで、メーカーのマークを外すと、どこの会社の製品か分からなくなってしまう程似通った物が多々あります。それに伴い、教育の場面でも大量生産に順応するような“没個性”“画一”的な教育がなされて来た気がします。“便利”というモノを得た変わりに、“個性”という言葉は日本には必要なくなったのかとさえ感じることがあります。しかしその反面“個性”“個性”と連呼し、一歩間違えれば他人の迷惑も顧みない行動においても大きな声で「個性だ」と主張し、我がままと取り違えた考え方も氾濫しております。
では、日本人は本当に変わり、大切なものを失ってしまっているのでしょうか。
決してそうではありません。失ったのではなく、この急成長を遂げている目まぐるしい社会の中で、忘れてしまっているだけなのだと思います。心のどこかでは日本人らしさを求め、日本の良さを認め、愛しているのだと思います。
【大 義】
論語の句に『義を見て為らざるは勇無きなり』という言葉があります。人として当然為すべき正しいことと分かっていながら、それを実行に移さないのは、勇気がないからである。見て見ぬふりをしない、卑怯者を許してはならないということです。
青年会議所活動の中には、自分にとって何ら利益にならないことや、却ってマイナスになることもあるかもしれません。しかし、そこに人として守るべき正しい道、つまり“大義”があるのなら、我々は強い意志と勇気を持って、立ち向かっていかなければならないのです。JAYCEEとして。
【郷土の誇り】
昨年、新聞に掲載されました“街のイメージ調査”において、「今エコロジー・スローライフが楽しめる街」ランキングで我が秩父地域は、奥多摩、鎌倉に次ぐ3位に選ばれました。山や川に囲まれて自給自足の田舎ライフが楽しめる点が、都心と違った生活にあこがれを抱く層に支持されたそうです。
我が秩父地域には、秩父夜祭や秩父銘仙に代表されるような伝統的な文化遺産、荒川の清流や周辺の山並みに残る豊かな森林に代表されるような自然遺産、そして古き良きニッポンの風景を未だ色濃く残す数多くの景観が現存しています。更に昨今、羊山の芝桜の観光者が一月で100万人を超える賑わいで、関東有数の観光地ともなりました。
秩父地域は平成の大合併により1市4町に生まれ変わりましたが、45年間JC活動の根底に流れている考えは“秩父は一つ”でありました。私達の愛する秩父地域は、歴史、伝統、文化に加え、四季折々に素敵な顔を覗かせ、いつも観光客を喜ばせてくれています。そこで、今以上に地域の人々が“おもてなしの心”を持ち、訪れた方々に良い気分でお帰り頂く事が、秩父地域に足を何度も向けて頂ける魅力溢れる観光地につながると考えます。
そのためにも住んでいる私たち自身がもっと秩父地域の魅力、歴史、風土を学び、この街に誇りを持つべきです。そして、他所に真似の出来ない「オンリーワンの街づくり」に向け、地域の人々とともに魅力溢れるまちづくりをすることが我々の使命であります。そこにはJCだから出来ることもたくさんあるはずです。
例えば秩父舞祭りC−DANCE!です。過去、多くの先輩やメンバーの努力により、地元の文化・伝統・芸能を鍵とした秩父の行事として現状定着しつつあります。本年第7回を迎えるにあたり、よりいっそうの充実をはかり、県内外から多くの踊り手や観光客を迎えると共に、秩父地域の子どもたちに「私たち
ちちぶの踊り」として踊ってもらえるような働きかけ、そしてそのことを通して親子交流の場へと発展していくよう努力したいと思います
【個性豊かな国】
戦後、日本はアメリカに“成長”という遺伝子を貰い受け発展して来たと言えます。しかし昨今、日本経済はアメリカに頼り過ぎとの議論が頻繁になされるようになりました。
例えば、あるヒット商品が生まれたとき、これをコストダウンして大量生産し、より多くの人々に買ってもらおうと考えるのがアメリカ的発想です。これに対しヨーロッパ的発想は、これにどういう価値を付ければもっと高く売れるだろうと価値を高める戦略を練ります。“ものづくり”に対する考え方が根本的に違うのでしょう。そして私たち“ものづくり大国”日本は、本来ヨーロッパ的発想に最も近かったのではないでしょうか。
それは、ヨーロッパの街並みを観てもわかります。ルネサンス様式・バロック様式といった建築物を大切に維持し、そこに集う人々は、誇らしげに、そして愛おしげに自分の国を語ります。そこには過去何十回という好景気、不景気を乗り越えて来た
“存続”という素晴らしい遺伝子があります。このことは元来、日本人の根底にも流れています。“古い物や心を愛する”“伝統を誇りに思い、重んばかる”“環境に最大限の配慮をする”といった考えは、アメリカよりもヨーロッパ的な価値観ではないでしょうか。
近年、倫理無き経営が世間を騒がせましたが、日本は今こそ方向転換する時期なのだと考えます。先にも述べましたように、日本は元来歴史と伝統を誇る心豊かな国です。だからこそ、企業も人も個性豊かな存在でありたいものです。
【 夢 】
最近の小・中学生には、夢を持たない子が約7割いると聞いたことがあります。大変哀しい事実であります。私たち大人は子どもに夢を持たせなくてはなりません。現実から離れた空想の世界の夢ではなく、将来実現させたいと思い、そこへ向かって努力できる夢。我々の次代を担う子どもたちに限りない夢を思い描いて欲しいと思います。
では、どうしたらその夢を持てるようになるのでしょうか。それはまず、子どもを育てる私たちが夢を持つことです。夢を持っていない人間に、夢は語れません。我々が夢を持ち、努力し、輝き、語っていくべきなのです。
【継 承】
“三つ子の魂百までも”とよく言われます。幼い頃、大人から教えられた「人に優しくあれ」「正直であれ」「嘘をつくな」「卑怯なことをするな」「約束を守れ」「弱い者いじめをするな」「相手を傷つけてしまったら素直に謝れ」など、未だ持って心の中に強く根付いている言葉の一つ一つ。こんな当たり前のことが忘れられつつあることもまた事実です。“子は親の鏡”と言われますが、躾は親から子へ、更にその子どもたちへと受け継がれるものです。躾の出来た子供、躾の出来る大人が今まさに必要であります。
「躾」とは身を美しくすると書きます。まさに日本の古き良き伝統・風習から生まれた美しい言葉であります。しかしながら、最近ではこの躾が間違った方向に傾きかけ、伝えなければいけない大人達が「自分さえ良ければ良い」といった姿勢を子どもたちに見せている場面があります。大人から教えられた言葉の数々が常識を育てていきます。そしてそれを守り、実行する我々の背中が、躾のゆきとどいた、常識のある子どもを育てていきます。もちろんそれはギチギチのルールや勉強で育てていくということでは決してありません。
自然の中で、大人や友達とともに、楽しいことや辛いことを経験し、常識や躾を身につける。そして更にはこの秩父地域が故郷であることを誇りに思えるよう、秩父地域の良さを伝えることが大事であり、「将来もちちぶに住みたい」、「ちちぶのために働きたい」、そんな子どもたちの育成を目指したいと考えます。
【 絆 】
JCメンバーの基本原則は、自分の本業である仕事を大事にした上でのJC活動でなくてはならないはずです。
私たちは皆それぞれ何かの縁がありJCに入会致しました。JCに入らなければ出会わなかった仲間達、JCに入らなければ得られなかった様々な経験、JCに入らなければ味わうことが出来なかった達成感・充実感があります。共に考え、共に汗を流し、共に感動することで、他では得られない信頼関係と友情を育み、自己革新して来たと思います。
次世代を担うメンバーには是非、心から信じあえる仲間と力を合わせ、愛する地域のために行動を起こして頂きたい。その後にはきっと、かけがえの無い達成感、充実感があるはずです。
JCの最大の理解者はJCメンバーであります。一緒に切磋琢磨する仲間がいてJC活動が出来るのです。そのためには会員拡大は最優先課題であり、全メンバーが常に意識し続けなくてはならない問題です。現役メンバーが身を持ってその魅力や意義を伝え、「共にJCで活動してみたい」と思われるような行動を取らなければなりません。
一人でも逸脱したり、JCの名を損ねるような行動を取れば、それは全て「JCの会員は…」という全体の評価につながります。常に自分がJCメンバーであることに誇りと責任を持ち、「会員拡大」をメンバー一丸となって取り組みましょう。
【おわりに】
最後になりましたが、会員諸兄姉のご理解ご協力をお願い申し上げ、また、関係団体、会員企業のご発展をお祈りし、本年度社団法人秩父青年会議所理事長方針とさせていただきます。
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