基本方針

      「和」
~ひとをおもい、ひとから学ぶ~

はじめに

「和」とは平和を連想させ、古くは日本を表す言葉でもあります。人それぞれの考えを尊重し、他者との議論を大切にする和の精神は日本人のアイデンティティーといっても過言ではありません。
昨今の世界情勢は日々目まぐるしい変化を続け、近年では世界各国の情勢を一変させる歴史的な出来事が数多く起こっています。日本では2011年に発生した東日本大震災で、被災したという事実だけではなく、これまで私たちが持っていた価値観を覆し、日本人の心に大きな変化をもたらしたことは言うまでもありません。
時に「和」は集団主義を増長する言葉の典型と捉えられることもあります。日本人は自分さえよければそれで良いという考え方ではなく、個人の能力を高め、集団となれば存分に発揮する。そして柔軟性があったればこそ、戦後の混迷を乗り越えるだけでなく、世界でも有数の経済国家になりえたのだと確信しています。日本は今現在も東日本大震災の他、相次ぐ震災や天災の復興道半ばではありますが、必ずやこの困難を乗越え、さらに発展することができると信じております。
地域に置き換えて考えた場合、個々がたゆまぬ努力を重ね、発展、向上し、その個々の力が結集した時、地域の発展の大きな原動力となるものだと思います。
私たち公益社団法人秩父青年会議所は56年の長きにわたり、明るい豊かな社会の実現を目指してまいりました。今後もそれは変わることのない普遍的テーマとして存在し続けます。50周年時に発表された「近未来運動指針」の中にもあるように個人と個々の企業の発展が地域の活性化につながるのです。個人の資質の向上は所属する企業、会への発展に繋がり、企業、会の発展はいずれ地域の発展に繋がり、地域の発展はいずれ国家の発展に繋がります。このことを胸に刻み、我々の活動はほんの小さな一歩にしかならない活動かもしれませんが、学びを通じた個人の成長と協調を大切にその一歩を着実なものと捉え大切に歩んでまいります。今年度は「和」をテーマに、相手を思いやる気持ちを常に持ち接すること。先入観を持たず何事にも真摯に向き合い積極的に取り組み、ひととのふれあいや議論、行動を共にする中で深き学びを得て、自身の成長につなげられる1年間を目指します。
今後も秩父青年会議所は明るい豊かな社会の実現のため、個人の成長と地域のまちづくりを考え日々活動してまいります。今年度設置する各委員会の活動のすべてがまちづくりとひとづくりを行ってまいります。

ひとづくり

ちちぶ地域は1市4町すべてが消滅可能性都市に数えられ、住民の高齢化、人口流出や低出生による人口減少に地域の過疎化が問題視され始めてから久しく、私たち秩父青年会議所の会員数も例外ではなく年々減少傾向にあります。
地域の子どもや青年の割合が少なければ、未来への希望が薄くなり地域の将来の展望は開きづらくなります。さらに青年が地域のことを考えなければ、地域は衰退し続けることになるかも知れません。秩父青年会議所では創立以来、地域の発展のためのひとづくりとまちづくりを念頭に活動を続けてまいりました。多くの同志と共に自己研鑚を重ね、和を尊び地域と自己の発展を可能にする機会が青年会議所には溢れています。新たな仲間を求めて青年会議所が持つ魅力を会員一人一人が伝えていくことが大事なのです。多様な職種、多彩な人材が多く集まり、業種や考えは違えども地域を興すという同じ志を胸に、同じ方向にベクトルを合わせるからこそ会の魅力は増し、より強力な運動発信が叶うのです。
ひとづくりにおいて地域の今後を担い、将来、国家を支える子どもたちの育成は私たち青年層において大切な担いの一つです。私たちは現在まで、ひとづくりの観点から青少年育成に力を入れ、子ども達に焦点を当てた事業を数多く開催してまいりました。家庭や学校とは違う環境に身を置いた時、人はその中で社会性を身に付けていくものだと思います。今年度も子どもたちの心身の健やかな成長と地域を知る機会、そしてその中で社会性を身に付けることを主眼に活動してまいります。また、時代の変化とともに子ども達の置かれている環境も変わり、過去では考えられないような様々な問題が家庭や学校などで起きています。私たちの世代は子育てを行っている人が多い世代でもあり、子ども達に接するにあたり迷い、考えることも少なくありません。今年度は青少年に焦点を当てた事業を開催するだけではなく親や地域の視点から見た青少年の育成について見つめなおす場を設けてまいります。

まちづくり

古くは銘仙で栄え、現在は年間900万人以上が訪れる、都心からも比較的アクセスしやすい観光地として注目を浴びているちちぶ地域は、豊かな自然と多彩な文化が混在し、人々を引き付ける魅力を持ち合わせた地域であります。しかしながら前述のように、高齢化、人口減少を代表とする様々な問題も抱える地域でもあります。私たちはこの現状に満足するわけにも、問題を看過するわけにも行きません。秩父青年会議所では創立以来ちちぶ地域発展の為、様々なアプローチからまちづくりを考え、積極的に行動してきました。今後もその姿勢は変えず、広い視野でまちづくりを考え、効果的に地域へと浸透させていく手法を考え、実践しなければなりません。また、私たちはまちづくり、ひとづくり団体を標榜する以上、常にアンテナを広げ、魅力や問題点を地域の皆様に提起することが地域を考えるきっかけとなり、更には活性化へと繋げて行かなければなりません。
今年度は43年ぶりに埼玉県内の30の青年会議所が所属する埼玉ブロック協議会の最大の運動発信の場でもあり、1000人以上のメンバーが一堂に会す、「第48回埼玉ブロック大会 秩父大会」を開催いたします。本大会は県内から多くの会員が集まるだけではなく、地域住民に向けたイベント、フォーラムの開催などを通じ、青年会議所運動の発信の場として、理解を深めていただく機会でもあります。また、県内の各地域で共にまちづくり、ひとづくりを行っている同志にちちぶ地域の魅力を知っていただくPRの場にもなります。地域内外の皆様にちちぶ地域の魅力をより知っていただき好きになっていただく事と、今後の地域のまちづくりについての検証や議論を重ね青年会議所内に収まることのない地域を巻き込んだ事業展開を最大の目的に邁進してまいります。埼玉ブロック大会を主管し、開催することが最終目的ではなく、そこで得たものを今後のまちづくり、仕事、自分自身にどう活かすかを個々に考えられるよう活動してまいります。その為には本大会に全力で取り組み、貪欲に吸収しなければなりません。活動を疎かにしては何も意味を成さないのです。
自身の活動エリアの発展を願い様々な視点からまちづくりを行うことは、秩父青年会議所だけではなく、全国の青年会議所でも同様に行ってまいりました。社会性や公共性の高い問題を扱う活動は青年会議所の中に留めるだけでなく地域や更には広い範囲に伝播することで組織内での活動だけではなく、運動として国家をも動かす原動力になると考えます。その重要な役割を果たすものが青年会議所の広報活動であります。PRや事業の報告をするだけではなく、その事業に参加をしていただき更にその活動を広めていただけるような広報を考え、運動のきっかけを作る先駆けとなる必要もあります。多くの人々が新たな視点を与え、行動を起こせるような広報を展開してまいります。

組織づくり

秩父青年会議所では2013年に公益法人格を取得し、これまで以上に公正な運営が必要とされてきました。会員からの会費、OB、OG会員や地域の皆様からの協賛金、行政からの補助金や助成金などで活動することも少なくない以上、自らを律し、お金の使途と効果を数多くの会議で検証し、必ず公正である事を確認して事業を開催して参りました。今後もその姿勢は崩さず、総会、理事会、役員会議を通じて財務チェックを適正、円滑に運営し、決定事項や決算状況の会員同士の情報共有と外部への情報公開を徹底してまいります。
組織にとって数は大きな力であり、様々な考えと業種の人間が集まることでその魅力は更に大きくなります。新たな仲間を増やすために一人一人が青年会議所の魅力を伝えること、青年会議所を通して、なかまと共に共通の問題に繰り返し取り組むことで「奉仕・修練・友情」の三信条を体現出来、より強固な組織となります。
また、秩父青年会議所では1市4町を活動エリアとした広域団体として56年間活動してまいりました。住まう市や町、所属する団体は違えども地域を思い発展を願うその気持ちは同じです。それだけではなく災害時の連携も含め、今年度も引き続き1市4町や他団体との交流を通じた情報交換などの連携を深め、明るく豊かで立派なちちぶ地域を目指して活動してまいります。

結びに

自ら考え、能動的に行動する確立された多彩な個が集まるからこそ魅力的な会となりえ、ゆえに日々個人の資質の向上努力を怠るべきではないと私は考えております。
20歳から40歳までの限られた時間の中で、青年としてまちづくり、ひとづくりに触れることが青年会議所に所属する本懐であり、漫然と所属しているだけでは決して得ることのできない経験と学びが溢れています。会員一人ひとりが活動に参加する意味を自己で判断し限定するのではなく、すべてを学びの場と捉え、前向きな思考と貪欲な姿勢で事に取り組むことこそが自己の成長に結びつく道であると信じ、地域を愛し、愛される会を目指して、精進してまいります。
そして、全会員が共通の問題に本気で取り組み、議論をぶつけ合い、支えあう経験から人を思いやる気持ちが醸成され、多くのことを学び、固い絆が生まれ、卒業後も付き合っていける「なかま」になるのです。
今年度は和を以て会員一同ベクトルを合わせ活動し、様々な学びから見識を高め、自己の成長と地域の発展に応用する。そんな一年にするべく邁進してまいります。