基本方針

【はじめに】

日本には古来より「心技体」という言葉があります。スポーツ界全般で使われている言 葉ですが、特に日本発祥である武道の世界では、心、技、体のバランスが全てであると言 われています。しかし、これは武道だけに限った言葉ではなく、生きていく全てのことに 係っているのです。現在は人材開発における研修や、企業の新人研修などでも用いられて いる考え方で、これは私たちが行う青年会議所運動でも当てはまることです。私たちが暮 らすちちぶ地域を、明るい豊かな社会に創造しようとしても、我々が地域を良くしたいと 思う心がなければ、実現しないどころか行動に移すこともできません。我々が故郷を想う 気持ちがあっても、地域をより良くする為のスキルや知識などの技が乏しくては効率的な まちづくりはできないでしょう。故郷を想う同志が集まらなければ、地域全体に私たちの 運動を行き届かせることが難しくなります。一人ひとりは小さな力かもしれませんが、同 じ志を持った同志が集結し、青年らしい力強い運動をする秩父青年会議所は、「心技体」の 関係に当てはまります。武道から誕生した言葉ですが、人としての道を生きる、今よりよ り良くなる為には全ての分野に通ずる概念なのです。


第57代 理事長 髙林 俊彦

【平成から新時代へ】


2019年、新しい天皇陛下の即位により、我々が育ち学んだ平成時代の幕が下ります。 平成は60年を超えた昭和に比べ、30年余りで短いというものの、激動の変化がありま した。特にITテクノロジーの発展によるグローバル化は目覚ましく、国境をいとも簡単 に超え、企業や政府もコントロールすることが難しくなっています。 新テクノロジーとして期待されるAI(人工知能)の技術進歩には驚かされます。昨今では 最強の棋士も、AIを搭載した囲碁ソフトに全く敵わず、私たちが暮らす環境にも大きく 影響してくる日が、すぐそこにやってきているのです。我々の日常生活から、働き方まで、 今までの常識が通用しなくなるということです。また、インターネットの発達によりグロ ーバル化が生んだビットコインなどの仮想通貨は一気に発達し、銀行だけでなく、円やド ルなどの通貨さえも脅かす恐れが出るまでになりました。これは単に技術進化と喜べるも のではないと感じます。そして医療技術により日本は高齢化先進国となり、平均寿命10 0年という時代が来るのもそう遠くありません。個人個人の人生設計の考え方は勿論です が、国がどのように支えていくのか考えなくてはなりません。私たちを取り巻く環境は確 実に変化しており、その変化に対応した動きが求められているのではないでしょうか。平 成から新時代へと移り変わる節目を生きる人間として、今一度しっかりと自分の未来を、 未来の日本を真剣に考えることが必要なのです。


【ひとづくりはまちづくり】


我々の暮らすちちぶ地域には、絹織物産業やセメント産業により発展し、秩父銘仙、秩 父夜祭に代表されるような伝統的な文化財、町並みには古き時代より引き継がれた歴史的 建造物や神社、仏閣など、古き良き日本の風景を未だ色濃く残し、豊かな自然に囲まれた 美しい景観があります。現在は観光地として注目され、年間900万人の観光客が訪れて います。一見華やかな地域の話題の裏には、若者の故郷離れ、少子高齢化による人口減少 問題を始めとする、様々な問題を抱える地域でもあります。この様な問題を解決するのは 簡単ではありませんが、私たち青年がやらなければいけないことがあるはずです。それは、 まず故郷のことを考えることです。前途で述べた「心技体」の心の部分が大切であり、地 域の問題を他人任せにしない、当事者意識を持つことが重要です。そして青年会議所の最 大の運動は、地域住民の意識改革に繋がるまちづくり運動です。我々はちちぶ地域を本気 で考える青年として、ちちぶ地域の青年達の先頭に立って運動を展開してまいります。私 たちがその姿勢を見せ、一人でも多くの志を集め、まちづくりをおこないます。平成から 新時代へ、故郷を今以上に輝いた地域にする第一歩を踏み出すのです。 地域を興すことで重要なことは次世代人材育成であります。地域の活性を目的とした単 発のイベントや講演会も有効な手段ですが、長期的な活性化にはつながりません。長い目 で見て、その地域の人材の育成が必要です。子どもには無限の力が宿っていて、大人の考 えを超える力を持っており、子どもは地域の宝なのです。そんな無限の力を持った子ども 達に将来の夢を聞いても、大半が夢を持てなくなってしまっているのです。ゲームやスマ ートフォンの進化によって、家から一歩も出ずにヴァーチャル世界で様々な体験ができる 時代になりました。しかし、それらの体験は架空のもので、実際に見て、触って感じた体 験ではありません。自分自身でいい事、悪いこと見極める力や、物を見て想像する心は画 面を見て育った情報では成長できません。これから更に進化するIT社会で生きていく為 には、ヴァーチャルで得る情報をリアルな物として想像を膨らませる力が必要になってき ます。子ども達がリアルを体験する事業は、秩父青年会議所の次世代人材育成事業として 毎年おこなっていますが、今年度はよりリアルな体験型事業をおこなってまいります。子 ども達が数十年後もこのちちぶ地域で暮らし、その次の世代の子ども達が更に大きな夢を 持ち、このちちぶ地域を興す青年になっていることを願って、人材育成を目指します。


【組織づくり】


どんなに能力のある人間でも一人では青年会議所運動はできません。青年会議所運動は 組織でおこなうから魅力を感じるのです。メンバー一人ひとりが役割を持ち、組織的に連 携をおこない、まちづくりをおこなうのです。また、同じ志を持ったメンバーと共に運動 をおこない、切磋琢磨することによって組織の中に信頼が生まれ、なかまと築いた絆が信 頼を持ち、強固な組織となるのです。しかし、どんなに組織力を高めようと考えても、同 じ志を持ったなかまがいなければ青年会議所運動は長期的におこなえません。地域が抱え る少子高齢化などによる人口減少問題は、我々秩父青年会議所の会員拡大にも影響が出て きています。20歳から40歳までの限られた人材が、少しでも当会の魅力を感じていた だく為に私たちに何ができるでしょうか。それはやはり地域に愛される団体になることが 一番です。半世紀以上続いている歴史と伝統を継承し、時代の変化にしっかり対応して形 を柔軟に変えていく青年会議所運動をおこなってまいります。ちちぶ地域を変えるには、 まずは青年や次世代を担う子ども達の先頭に立ってチャレンジし、変化に対応していく姿 を見せる必要があるのです。 インターネットの普及による情報ツールは日々進化して便利な時代になっている一方、 メンバー同士のコミュニティーなどは、昔のように直接会って、顔を合わせて会話する時 代から、電話のやり取りが減り、メールアプリによる文字だけのやり取りが主流になって います。人と人とのつながりや、絆を感じる組織を構築していく事に重きを置いている我々 も、使い方を間違えば、つながりや絆などとは正反対の方向に進んでいくことに危機を感 じます。しかし、これからの時代を生きていく為には情報コミュニティーツールやクラウ ドサービスなど、組織全体の情報発信には不可欠です。どこからでもメンバーの活動がし っかり見え、メンバー同士に平等な情報公開をおこなうことができる、効果的なコミュニ ティーツールの活用をおこなってまいります。


【なかまとメンバーの成長】


組織づくりで述べたように、会員拡大は急務であると考えます。どんなに素晴らしい事 業を考えても、メンバーがいなければ事業をおこなうことができません。秩父青年会議所 は40歳で卒業し、毎年多くのメンバーが卒業を迎え、次のステージへ旅立っていきます。 少子高齢化が進む地域だからこそ会員の拡大は簡単なことではありません。力強い運動を より広域に伝播していく為にも会員の拡大が必要なのです。そして、新入会員との出会い は縁であり、お互いの成長に繋がる大きなチャンスです。多くの会員を受け入れる体制を 作り、入会3年未満の比較的経験の浅いメンバーが1年間で大きく成長できるアカデミー プログラムを実施してまいります。


【結びに】


昨年度、秩父の地にて43年ぶりの第48回埼玉ブロック大会、秩父大会が開催されま した。県内各地青年会議所のメンバーが一堂に集まり、埼玉県の発展の為、そして秩父地 域の発展の為に、志を同じくする同志と一緒になって汗をかいた運動は秩父青年会議所メ ンバーを大きく成長させたことは間違いありません。そして、我々は自治体の方々や地域 の皆様と一緒になってちちぶ地域の魅力の発信をした経験を語り継いで、今後に活かして いかなければいけません。何よりも感謝の気持ちを忘れてはいけません。ちちぶ地域、1 市4町に住むすべての人が、郷土のことを少しでも考える時間が増えてくる、そんな小さ なことが奇跡の始まりと信じています。 最後になりますが、関係諸団体、会員企業様の発展を御祈念すると共に、会員諸兄姉の ご理解ご協力を心よりお願い申し上げまして、公益社団法人秩父青年会議所理事長所信と させていただきます。

公益社団法人 秩父青年会議所

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