理事長メッセージ

一般社団法人 秩父青年会議所

第61代理事長 井上 貢輔

はじめに

1962年に「よりよい社会の実現」のため創立された秩父青年会議所は、昨年度、創立60周年を迎え、人間であるなら還暦となる節目の年でありました。創立60周年を記念して秩父宮記念市民会館にて記念式典、記念事業を盛大に開催することができました。開催にあたり秩父青年会議所の先輩諸兄姉、関係諸団体の皆様から多大なご支援とご協力を賜り、感謝の念に堪えません。「明るい豊かな社会」の実現のため、これまで先輩諸兄姉が築いてこられた秩父青年会議所の実績と地域社会からの信頼を損なうことなく、より発展させていく決意を新たに進んでまいります。次の10年、20年、40年後の100周年を見据え、 2023年をその始めの一歩とし、志を新たに前進していく所存です。


まち、ひと、みらい

「まち」の持つ特色は風土、歴史と文化、そしてそこに住む「ひと」により形作られます。 昨今、新型コロナウィルス感染症で制限のある生活が続いた事により、「ひと」から活気が 失われているように感じます。ちちぶ地域に住む「ひと」が元気を、そして「まち」により愛着を持てるような事業構築を通じて「明るい豊かな社会」実現のため、まちづくり運動を 続けてまいります。 人生が有限である以上、世代交代は地域社会においても避けることはできません。次代を 担う青少年は地域における未来そのものであり、将来「まち」に住む「ひと」の中核になる 地域の青少年育成は必要不可欠です。学校教育では実現の難しい「機会」を提供することで 見識の広い次世代人材を育成し、未来のちちぶ地域において活躍できる「ひと」を育てるこ とを目的に活動してまいります。


広報

「明るい豊かな社会」実現のためには秩父青年会議所だけではなく関係諸団体の皆様、行政、教育機関、地域住民の皆様との連携とご協力が必要不可欠です。我々が地域の為にどの ような信条で、何を企画し、実行しているかを広く報せることは、こうした連携やご協力を 賜る上で非常に重要であると理解し、広報活動を続けてまいります。 「JCしかない時代からJC以外もある時代」といった言葉が表す通り、現代の日本では 有力な青年団体が数多く存在しています。「青年」という文言をその名称として使用してい る団体も多く、私がお会いした地域住民の皆様の中には青年会議所と他団体を混同している方も多く見受けられました。他の青年団体に埋もれぬよう無二の事業構築をするととも に、秩父青年会議所の存在感をより地域に向かって示す広報に努めてまいります。


関係性の再構築

 2020年の新型コロナウィルス感染拡大に端を発した社会の変化に秩父青年会議所は 適応をする努力を続けてまいりました。感染蔓延期における諸会議での WEB 会議サービ スの利用や、例会開催日の柔軟な移動などの対策で青年会議所の活動を止めることなく運動を継続してまいりました。しかしながら、会員間で直接会う機会の減少はコミュニケーションの質と量を低下させ、関係性の希薄化が起きております。私は青年会議所の基本三信条である奉仕、修練、友情は、会員間で能力を磨きあい、友情と協働をもって地域社会に奉仕するものと理解しております。そこには会員間の関係性深化が重要であり、欠かすことのできないものと考えております。新型コロナウィルス感染拡大初期から現在まで、例会出席率が減少傾向から回復していない事は、会員間の関係性がいまだ感染拡大前の水準に回復していない証左であります。 「明るい豊かな社会」実現のため、会員間の関係性深化により一層努めていく所存です。


会員拡大

会員数と在籍期間の減少傾向は日本の青年会議所全体の傾向として近年続いており、秩父青年会議所も例外ではありません。会員拡大の不断の努力にかかわらず会員数の減少が続いております。青年会議所の最大の資産は現役会員をはじめとする「ひと」であり、青年 会議所が持つ能力の根幹です。会員数の減少は秩父青年会議所の能力を低下させ、組織の存続にも関わります。このままでは5年後には会員数の減少により存続の可否を問うような状況に陥る可能性もあり得ます。この危機感を会員全員で共有し、会員全員で全身全霊をこ めて会員数の拡大に努めてまいります。


結びに

 前向きな姿勢を持つ人が目標を追うことは、誰も止めることができないでしょう。反対 に、後ろ向きな姿勢を持つ人は、誰も救うことができないのです。トーマス・ジェファ ーソン

Nothing can stop the man with the right mental attitude from achieving his goal; nothing on earth can help the man with the wrong mental attitude. ―― Thomas Jefferson


 「前進」とは字の通り「前に進む」ことです。「前」とは目標、目的、未来であり、我々、 秩父青年会議所においてはちちぶ地域に「明るい豊かな社会を実現する」ことです。196 0年に採択された日本青年会議所綱領において記されたこの目標は、60年を超えた今日 でも輝きを失っておりません。秩父青年会議所創立から61年目の本年度、この目標に向かい後ろ向きになることなく、前向きに積極性と元気を発揮して次の5年、10年を見据えて進んでいきましょう。 最後に、先輩諸兄姉と関係諸団体の皆様へ日頃よりのご支援、ご指導とご鞭撻に感謝申し上げるとともに、甚だ恐縮ではありますが変わらぬご支援をお願い申し上げ、2023年度 理事長基本方針とさせていただきます。