次世代育成委員会 

委員長 関根 翼

未来のちちぶ地域に新しい風を吹き込むのは次代を生きる今の子どもたちです。その次世代人材を育成するのが私たち秩父青年会議所の大きな使命のひとつであり、そのためには子どもたちの「人間力育成」が不可欠であると考えます。

私たち大人の人間力を形作っているもの、それは家庭、職場、地域など、他者との繋がりのなかで得た実体験の数々です。なかでも、学校生活での仲間との繋がりは特に大きな要素のひとつではないでしょうか。毎日が新鮮さと刺激に満ちていた頃の喜怒哀楽の経験は、大人になった今も心に刻まれ、人間力の礎となっています。

子どもたちは今、コロナ禍によって失われた機会を必死に取り戻そうと日々を過ごしています。中止された学校行事や大会、黙食による静かな昼食、マスク越しのコミュニケーション。命を守るためとはいえ、その苦渋の選択をしたのは我々大人です。であるならば、子どもたちが仲間とひとつでも多くの経験をし、思い出を作るために、ひとつでも多くの機会を提供することも我々大人の責務であるはずです。私たちは本年度、そうした子どもたちのかけがえのない学校生活でのコミュニケーションや人間力の糧となる経験の機会提供をすべく事業を構築してまいります。

今日では、情報技術の目覚ましい進歩により、知りたいことを検索欄に打ち込めば、AIによる要約や画像・解説動画が一瞬で表示され、実体験を伴わずとも圧倒的な効率で情報を得られるようになりました。しかしながら、生まれたときからそうした技術とともにある現代の子どもたちにとって、コストパフォーマンスやタイムパフォーマンスばかりを重視して最適解にたどり着くことがすべてなのでしょうか。時として、検索しても答えの出ない、自らの五感を通して得た実体験こそが真に人間力を育むのだと私は信じています。本年度次世代人材育成委員会では、そうした次代を生きる子どもたちに必要なものをしっかりと見据え、実体験の機会提供となる事業を構築することで「人間力育成」に取り組んでまいります。

 

“あなた達の生きる未来を、私達が諦めるわけにはいかない” <考古学者ニコ・オルビア>